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『自分のソウルを信じて……』 4年振りのMakotoのニュー・アルバム! LTJ BukemとFabioに魅せられて、20歳そこそこの男が単身イギリスのアンダーグラウンド・ミュージック・シーンに介入して、ついには〈Good Looking〉のトップ・プライオリティ・アーティストの座に登り詰めてから、早5年以上が経つ。 Marvin Gaye、Leroy Hutson、Lonnie Liston Smithら、70'sニュー・ソウルの旗手たちを愛し、その生命力溢れる感動的な楽曲が持つ普遍的な音楽性をドラムンベースという最新のダンス・ビートでいかに表現するか……。Makotoがたった一人で世界を相手に行ってきた挑戦とは、そんなタイムレスな輝きを放つ楽曲を生み出すことと同時に、今の世代でしか作ることのできないテクノロジーを駆使した新しい何かを生み出すことだったのだと僕は解釈している。 幸運にも僕は、Makotoが〈Good Looking〉と別れを告げるこのニュー・アルバム『Believe In My Soul』の中で“Eastern Dub”という曲を共作している。それだけではなく、僕にとってDxに継ぎ、これまで何度もDJを共にしてきた盟友と呼べる一人であるだけに、Makotoの人間性をよく理解しているつもりなのだが、この男は一言に言って本当に内面が強い。その強固たる信念があるからこそ、今これほどまでにドラムンベース・シーンにおいて重要な存在へと成り得たのだろうし、これほどまでに自己のサウンドを磨き上げ、高みに登らせることができたのだと、しみじみ思う。 適当ですまないが、この新作に収録された楽曲の解説などはこのインタビュー本文にはほとんど出てこない。それはもう聴く人が自由に感じてくれればいいと思っていたし、必要であればどこか他のサイトのレビューでも見てほしい。僕がこのインタビューで伝えたかったこととは至極単純で、自分の身近にいるとてつもない才能を持ったクリエイターが、この新作リリースまでの間でどんなことを思い、そしてこれからまたどこに向かおうとしているのか、それだけなのです。 (INZA) この日のインタビューは、Makotoと僕とレキシントンのバイヤーである服部大介氏(DJ Type D)による3者の対談形式で行いました。 DJ INZA:今日マコっちゃんにインタビューするとあってさ、きのうの晩ファースト・アルバムをあらためて聴き直してたよ。今聴いても全然色褪せてないね。 MAKOTO:そっちの方がいい(笑)? 服部:はははは! DJ INZA:いやいや(笑)、そういうことじゃなくてさ。聴き直してあらためて気づいたんだけど、ファースト・アルバムってコンセプチュアルだったと思うんだよね。ひとつのストーリーの様な感じで全体がつながってたじゃない? MAKOTO:そう。それはいつも言ってるんだよね。こっち(新作『Believe In My Soul』)はフロアー仕様だって。 DJ INZA:フロア仕様か、そうとも言えるね。トラック集的な感じというかね。 MAKOTO:うん。 DJ INZA:そういうところでは、今回こういう作品ができあがったっていうのはどんな理由があったからなの? そういう作品になったってところでは。 MAKOTO:それはまあね……いろいろあった感じで。ふふふ。 DJ INZA:まあぶっちゃけ話さ、やっと出たって感じだよね、このニュー・アルバム。だってもう4年前じゃん、前作って。 MAKOTO:いや、でももうこれは完成してたのが2年前で全曲終わってたからさ。『Humanelements』の後、ツアー行ってるその間に、DJでかけたいと思った曲をいろいろ作ってたのがいっぺんに出たっていうか。それをまとめたみたいな。 DJ INZA:なるほどね。 服部:まあでもそういうアルバムもけっこうあるよね? MAKOTO:まあね。普通はドラムンベースって言ったらけっこうそうだしね。コンセプト・アルバムっていうよりも。 服部:他のジャンルでもさ、すでに音を作ってて、どこかが区切りっていうのは考えないで、とりあえず作ってて、で、みんなタイミングでアルバムとして出すっていうか。まあだから、たぶん客観的になってみてそれをどう捉えるかだと思うんだけどね。 MAKOTO:うん、まあその通りですよ。 DJ INZA:うん、まあそうなんだけどさ。Makotoに期待するところは並のプロデューサーとは違うから、俺は。まあそれで、今回のニュー・アルバムはコラボレーション曲もいろいろあるじゃない? 俺とマコっちゃんが一緒に作った曲も入ってるしさ。 MAKOTO:ふふふ。 DJ INZA:一緒にというか、先生の力を借りて自然にできあがった曲なんですけどね! MAKOTO:はははは! DJ INZA:(笑)。しかしホント、マコっちゃんの曲作るスピードには驚かされたよ。5時間ぐらいでほとんど出来上がってたじゃない。あれはすごいと思った。「ベース・ラインこれどう?」ってパラパラと弾いてさ、で「いいねー。じゃあそれで」みたいな。即決。「ビートはどうする?」「じゃあそれとそれで」「OK 」みたいなさ。考え込んで止まることが全くなかったもんね。(ちなみに、あの曲の声ネタは自分的にジャマイカのMarvin Gayeみたいなシンガーならレゲエとソウルが交じるなって閃いて、Beres Hammondをレコ屋のエサ箱から引き抜いたものでした。)それからAkiraとのコラボレーションもあるし、DJ MarkyとかBunくんとかさ、わりとファースト以降はコラボレーション作品が増えたよね? それはどうして? MAKOTO:うん。まあなんて言うの、自然の流れで別にしようと思ってたわけじゃなくて、今もいっぱいやってるんだけど、まあみんなひとりで作ってるのに飽きてきたっていうのがたぶんあって。みんなコラボレートしてるし、最近はSonicとずっと一緒にやってて、Markyとも5〜6曲ぐらいあって。 DJ INZA:A sidesもあるよね? MAKOTO:A sidesもあるし、Zincもあるし。 DJ INZA:Specialistとかさ。 服部:ヒップホップっぽいよね。なんか広がりが。 MAKOTO:なんかいろいろお互いにもってない部分を吸収できたりするし、別にひとりで曲作んなくてもいいわけだし。 DJ INZA:つまりファースト以降は、外部から吸収するものが面白くなったってこと? MAKOTO:そう。ひとりで作ってるとだんだん煮詰まってきて、いいのか悪いのかよくわかんなくなってくるけど、2人とか3人とかだと「それいいね」ってすぐに形になるっていうか。まあとくに言えるのはMarky。Markyは別になんにもしないけど、そこにいて、ひとりでもう「やべー! やべー!」言ってる(笑)。そのテンションがやっぱり大事だったりするんだよね。 DJ INZA:ははは。 MAKOTO:ひとりで踊ってるからさ。「やーーべーー!!」とか言って(笑)。 服部:「いまのやばいよー!!」とか? MAKOTO:そう(笑)。 DJ INZA:常にノリノリなんだ(笑)。いやほらさ、MakotoとMarkyって今一緒に曲作ったり、絡むことが多いでしょ? でも俺から見ててさ、MarkyがMakotoの才能に惚れ込んでるっていうかさ、リスペクトしてるところが大きいと思うんだよね。 MAKOTO:うん。だってMarky、そんなソウルフルなのとかかけてなかったから、ちょっと前まで。 服部:そうだよね。 DJ INZA:昔Bryanと一緒に来日したときも、食事が終わって「今夜Makotoとやってるパーティがあるからこの辺で」って言ったら、「Makoto!!!!!! 俺も連れてけ!!!!! なあBryan、いいだろ!? お前もいくだろ!?」って大興奮しててさ(笑)。それでさ、たとえば彼のヒット曲で「LK」とかあるじゃない? あれはもう要はサンプリング・センスじゃないすか、(オリジナルは)Jorge Benだけどさ。「この曲使える!」みたいな。だけど、マコっちゃんのすごさっていうのは、ファースト・アルバムもそうだけど、やっぱりほら70'sのニュー・ソウルとか、そういった音楽性豊かな時代の音楽を吸収して、それをサンプリングすることもあるけど、それに自分なりのアレンジを足して、オリジナルの音楽にする力があることだと思ってんだよね。 MAKOTO:うんうん、まあそうだね。ここ2〜3年はみんなサンプリングして、ループしてっていう、ヒップホップみたいに「ルーツもの使ってドラムンベースにしました」みたいなのが流行ってるけど、ファースト作ってるときはね、ドラムンベースってけっこうそういうのが御法度だったし、自分で作るしかなかったっていうのがあったしね。 服部:そうだよね。〈Good Looking〉とかもそうだもんね。 DJ INZA:たしかに〈Good Looking〉もそうだったよね。シンセ1台でもしっかり弾ける音楽家が集まってたというかさ。 服部:そう。昨日ちょうど『Logical Progression』聴いてたんだけどさ、やっぱBukemのDJとかさ、最初から終わりまでかけるようなDJだったから、やっぱり1曲の展開とか、ストーリー性みたいなものがすごいあったし、それがないと成り立たなかったっていうのがあったと思うしね。 MAKOTO:うん。今は1曲とか1日でできちゃうけど、昔はもう1曲に2〜3週間かけてて、曲も長かったし。今は5分とかでしょ。とりあえずループをバーンと入れて。でももうそういうのも自分としては飽き飽きしてて。ファーストの頃は、ループを使うっていうのが普通じゃなかったし、でも自分が影響を受けた音楽を表現したいと思ったから、そういう風に自分で弾いたりして。でも今は自分もそういう方向にまた戻ってきてて。サンプルは使うけど、基本的には弾き直して、新しく作り直すっていう。 DJ INZA:そっか。だから俺はMakotoともう10年くらい前に知り合って、Makotoの作った曲をいち早くもらったりするなかで、そういう作曲能力とかアレンジ・センスにとくに非凡さを感じていたっていうのがあるんだよね。俺も10代の頃からレアグルーヴにはまってたし、Lonnie Liston SmithとかSky Highの一連作品とかも好きだったから、わかるところも多かったしさ。 MAKOTO:ふへへ。だからこのセカンド・アルバムを作ってた頃は、まあ時代の流れもあるし、自分でいろいろ手は加えてるけど、けっこうそのままループみたいなのを使うのが面白かったときなんだよね。 DJ INZA:ああ、そうなんだ。たしかにわりとミニマルだもんね、今回のアルバムは。 MAKOTO:うん、“Spangle”とか“Freedom Suite”とかさ。 DJ INZA:“Freedom Suite”のネタとかもわかりやすいしね。 MAKOTO:わかりやすい。それとか“Free Your Mind”とか“Blackbird”とか。 DJ INZA:うん。今でもMakotoが影響を受ける音楽としては、70年代のソウル、ジャズってところは変わってなかったりするの? MAKOTO:そうだね。 DJ INZA:でももうちょっと音楽的レンジが広がった感じがない? MAKOTO:ちょっとハイテクになったかなって気もする(笑)。 DJ INZA:ははは。まあそれもあると思うけど、ほらレゲエが入ったりとかさ、もうちょっと広がってるじゃない? MAKOTO:そうだね。 DJ INZA:なんか新しい音楽性に向かってる感じがあるのかなと思って。それはなんか意識的な変化みたいなものがあったりしたの? MAKOTO:やっぱりBukemと一緒にDJしなくなって、〈Good Looking〉サウンドみたいな制約がなくなって。だから最近は昔のOpticalとか聴いたりしてたり。 服部:へ〜渋いね! DJ INZA:MakotoがOpticalって意外だな。 MAKOTO:まあそういう2000年ぐらいのドラムンベースってみんな実験的なことしてたし、ダンス・フロアで爆発しなくてもいいやみたいな、そういうとこがあったけど、今はみんな決まったフォーマットで、フロアーで「バァー!」ってなんないと、みたいなのがあるし。2000年ぐらいの頃は、みんなそういうことはなんも考えてなかったっていうか。 服部:今、他のイギリスのDJとかって、そういうの感じてたりするのかな? MAKOTO:たぶん感じてるよ。だってソウルのループみたいなのとかもう終わってきてて、ちょっとダーク目っていうか、ムーディーなやつとかけっこうあるし。だから(時代は)回ってきてる。盛り上がるのは盛り上がるのであるけど、それとはまた別に実験的なことする人たちが増えてきたと思うよ。 DJ INZA:じゃあそういう時代の流れもありつつ、今のMakotoのサウンドもそういう方向にシフトしてきてるという? MAKOTO:うん。Sonicとやったやつとかスネアが入ってなかったりとか。今日もってくればよかったな。昔のPhotekみたいなやつとか作ってる。 DJ INZA:へ〜。 MAKOTO:あとダブステップっぽいやつとかも作ってるし、けっこう実験的なことしてるよ。まあSonicは俺と同じぐらいLogicがいじれるから、もうふたりで休憩しながら、俺がリズム作って、Sonicが上モノ乗せてみたいなことがすぐできるわけ。で、Markyはいつもネタをもってきて、サンプリングして、それを形にしていく感じ。Zincのときはいつも俺がキーボード担当で、Zincがドラムを決めて、ベースを弾いて、その上に俺がキーボードを乗せるみたいな感じだし。 服部:Zincってキーボード弾けないの? MAKOTO:うん、そこまで弾けない。あと、A sidesはSonicと同じで、お互いできるから、休憩しながらやって(笑)。 DJ INZA:なんかさ、ファースト・アルバムからセカンド・アルバムまでのマコトの音楽的な変遷を考えると、ファースト・アルバム以降、MakotoはDeeizmというMCと出会って、それから活動がそういう方向に変わっていったよね。で、それから「Golden Girl」みたいな、ああいうちょっと今までのMakotoのスタイルを自分で覆すような曲があったじゃない? そういう風にサウンドが変化してきたっていうのは、Makotoなりにどういう音楽観の変化があったからなの? MAKOTO:やっぱいちばん大きいのは、その前まで海外でたくさんDJをするようになったことだね。ファースト作ってたときはそんなに海外でDJしてなくて、ファーストが出て、海外に行くようになってから、なんでかわかんないけど「ああ、こういうのDJでかけたい」とか、そういう風に思うようになってきて。 DJ INZA:つまり現場で沸いたイメージみたいなものが反映されたんだ? MAKOTO:そう。でも現場であんまりそういうのを直接的には感じなかったんだけどね。自然に身についたんだろうね。 DJ INZA:あと感じるのはさ、ファーストの頃はMakotoはミュージシャンを入れてライヴもやってたわけじゃない? つまりファーストの頃まではライヴで再現できるサウンドだったと思うんだよね。でもそれ以降のMakotoの作品っていうのは、Deeizmとのセッションっていうかさ、そういう音作りに変わっていったよね。 MAKOTO:ああ、そうだね。 DJ INZA:つまりそこで100%魅せれるサウンドに進化したっていうか。 MAKOTO:そうだね。今はこっち(セカンド・アルバム)の方が全然DJでかけやすいしね。だからファーストとはまた違う側面みたいな。 DJ INZA:そうそう。Makotoの活動期のなかでのまた新たな章っていうかさ。で、Deeizmと一緒にやるようになって、自分的にどんなことが変わったと思ってる? MAKOTO:まあやっぱりDJとして、いろんな国に行ったりして、それなりに盛り上がったりして、今まではBukemと一緒にDJやってたけど、もうピンになって、それでも全然みんな受け入れてくれるっていうのがわかって、自信がついたっていうのがいちばん大きい。まあそれにシェリー(Deeizm)は俺がなにやるかわかってるし、俺もシェリーがなにやるかわかってるから、別に打ち合わせとかしないんだけど。 服部:最初にシェリーと回したのっていつだったの? MAKOTO:2003年ぐらいかな? DJ INZA:ちょうどファーストが出たぐらいだね。 服部:それはどこで? MAKOTO:ロンドンの〈The End〉で。 服部:なんかビビッときたものがあったの? MAKOTO:それもあったし、ファーストの後に1枚ライヴのアルバムがあって、それを作らないといけないっていう段階で、シェリーはMC Conradにアプローチして、それが俺のとこにきて。 DJ INZA:なるほど……。しかしMakotoのメロディ・センスだったり、音楽の魅力をすごく引き出せるMCでありシンガーでありっていう、理想的なパートナーを見つけたなと思ったよ。 服部:そうだね。俺もそれはすごい思った。 MAKOTO:うん。ラップだけじゃなくて、いろんなことできるしね。 DJ INZA:だから繰り返してしまうけど、Makotoの表現方法がさ、DJとMCのセッション、それがライヴっていう風に完全に変わったと思ってるんだよね。 MAKOTO:そうだね。 DJ INZA:で、そういう風に進化してきたMakotoの新たな作品集っていうのが、このニュー・アルバムかなって思ってさ。ただ、Makoto本来のソウルフルなサウンドっていうところは全くブレてないし、時代の流れに従って音のバランス感みたいなものはすごく進化してて、エッジが強まった感じがしてるよ。 MAKOTO:まあね。あんまり自分では考えてないんだけど、やっぱDJしてると自然とそうなってくるというか。 DJ INZA:でも「Golden Girl」とかさ、あの時代にして頂点極めましたみたいな、なんかもう究極だと思ったよ。もうこれ以上のビッグ・スケールはありません、みたいなさ(笑)。 服部:究極だったよね〜。他の歌ものがチープに聴こえてしょうがなかったもん。そのくらいインパクトあったよ。 MAKOTO:なんも考えてなかったんだけど、とりあえずアーメン使って作りましょうってことで、最初にインスト作って。ツアー中にコンラッドの家に行って、4日間ぐらい寝ないで作った(笑)。 服部:寝なかったんだ? MAKOTO:寝かしてくんねーの。だってベットがないんだもん(笑)。でもあんなに反響が出ると思ってなかったよ。 服部:最初にかけたのは誰なの? MAKOTO:自分。〈The End〉でかけて「なにこれ?」みたいな。ベースがいきなり入ってくるのが新鮮だったらしくて。 服部:ラジオでGrooveriderが興奮してかけてたよ。2回ぐらいリワインドしてた。 DJ INZA:Hypeもかけてたし、Goldieも気に入ってたらしいしね。しかし、あれ以降ってマコトの作品ってまともに出てなかったわけだから、この新作を待ってたファンは多いと思うよ。 MAKOTO:出したくても出せなかったっていう状況だったからね。 DJ INZA:まあそうだよね。俺らの曲も4年以上前でしょ、たしか。Bukemがロシアでプレイしたときの映像をマコっちゃんにもらって観たときはマジで興奮したよ。というか変な感じというか、信じられなかったっていう感じに近い。幕張メッセみたいな巨大アリーナに1万人くらい? それはいい過ぎかな、とにかくものすごい人数の客がいて、そこで“Eastern Dub”をプレイしてて。こんなにこの曲で踊るんだって思った。あと、前にStress Level & TC1のStress Levelが東京に来たときにDxと一緒にインタビューしにいったんだけど、さんざんいろいろ話して、最後になって「Makotoと一緒に作った曲のさ……」みたいな話をしたら、そこでやっと俺のことに気づいてさ。「あ、あのキミか!」って。「え?」みたいなさ(笑)。だからそれくらい向こうのDJはダブの段階であれを知っててくれてたみたいだし、それ以外のここに収録された新曲もあらゆるトップDJがプレイしてたしね。だからまさに待望のリリースじゃないかな。この4年あまり作品は出せなくてもMakotoの作曲活動は止まらなかったわけでしょ? これでやっとアーティスト契約からも解放されたし、これからそのストックがバンバン出るってことだよね? MAKOTO:うん、そうだね。 服部:でも昔のDillinjaとかさ、もう2年も3年も出なくって、やっと出たみたいなのが普通にあったもんね。 DJ INZA:あったね。だからそれがドラムンベース・シーンのよく出来た循環の仕方というかさ、ダブプレート・カルチャーなんだよね。クリエイターだって2〜3年先見越して作ってるわけでしょ? MAKOTO:そうだけど、今回は自分がそうしたかったわけじゃないからさ……。 一同:はははは。 MAKOTO:だから自分的にこのアルバムは「Golden Girl」の後にすぐ出るべきだったと思うんだよ。みんなにとってもそれがいちばん良かったんだよ。 DJ INZA:そうかもね。それで、このセカンド・アルバムまでが俺のなかでのMakotoの第二章で、これから第三章がはじまると勝手に思ってるんだけど、これでやっと自分のソロ活動が自由にできるわけで、自分のレーベルの〈Human Elements〉がついに始動するんでしょ? MAKOTO:うん。このアルバムが出るのを待ってたからね。これを先に出したかったから。これで〈Good Looking〉との専属契約も終わったから、いろんなレーベルから出せるんで、さっき言ってたコラボレーションしてたのをまずそれぞれのレーベルから出して、万全の体制ではじめたい。最初自分のレーベルからは、Markyとコラボレーションした曲を〈Innerground〉とセパレートして、とりあえずそのうちの2曲を出すよ。その後はシェリーと一緒に作ってたのもあるから、それをEPみたいな感じで何曲か出していって、時期を見計らって最終的にはアルバムを出したいと思ってる。まあ、あとはいろいろとあるね。 DJ INZA:ちなみにファースト・アルバムではドラムンベースとドラムンベースじゃない曲が半々ぐらいで入ってたけど、今回のセカンド・アルバムはほぼドラムンベースだよね。で、これからのMakotoはどういう風になっていくのかなってちょっと気になるんだけど。 MAKOTO:しばらくドラムンベース1本になっちゃってたけど、また最近いろいろ聴いてるから、もしかしたらそういうのも出てくるかもしれないね。気分次第(笑)。 DJ INZA:OK(笑)。じゃあどうなってくかは乞うご期待ってことで、今後の活躍にも期待してるよ。 MAKOTO:ありがとう!
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| 2007-10-01 21:02
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